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1学年 総合的な探究の時間 仮説の設定

1学年の「総合的な探究時間」は、現在グループごとにリサーチクエスチョン(「なぜ○○なのか」)の設定を終えたところです。7/11(木)には、「仮説の設定」に取り組みました。そもそも、仮説は「予想」とは異なり、すでに確立された理論を参考にして設定するものです。そのため、仮説の設定を行うためには先行研究分析が必要になります。
先行研究分析は論文の読解が中心になりますので、Google scholarやJ-stageなどの論文検索サイトの使い方を説明した後に、各自で論文の収集を行いました。検索ワードを検討しながら目当ての論文が見つけるために生徒たちは試行錯誤していました。
各自でリサーチクエスチョンに関係する論文を決めたら、各自で論文の読解に挑戦しました。今回は要旨(abstract)と「はじめに(問題の所在)」だけを読みました。要旨には論文の簡単な説明が、「はじめに」には先行研究の簡単なレビューと論文の構成が紹介されています。つまり、要旨と「はじめに」を読むことで論文の概要がつかめるということです。
生徒たちが見つけた論文を見ると、実に様々な学会誌や論文があると驚かされました。手話通訳士に関するリサーチクエスチョンを設定した生徒は、『通訳翻訳研究』(日本通訳翻訳学会)に掲載されている論文を見つけました。

また、ヒット曲の歌詞の変容に関するリサーチクエスチョンを設定した生徒は『音楽教育実践ジャーナル』(日本音楽教育学会)に掲載されている論文を、「なぜ数学嫌いが増えるのか」というリサーチクエスチョンを設定した生徒は「なぜ数学嫌いになるのか」という学会発表の要旨を見つけていました。
先行研究分析を行うことで、生徒たちのリサーチクエスチョンがさらに変容したり、洗練されたりすることが期待されますし、論文を読むことで研究方法に対する理解も深まります。自分たちの探究のヒントになることがたくさん詰まっているのが先行研究分析です。あまり時間がかけられないのが残念ですが、限られた時間でなるべく多くの論文にあたってほしいと思います。
9月の中間発表では、リサーチクエスチョンと仮説に加え、仮説検証のために収集したいデータ・資料を発表してもらいます。独自性のある検証可能なリサーチクエスチョンと仮説になるように、来週も先行研究分析に励んでもらいます。